可愛いって言わないで




そう言って、私の顎に手を添えて強制的に顔を上げられた


顔がどんどん熱くなっていく


「照れてんの?」


くすっと笑う成瀬くんの色気にクラクラする


「し、仕方ないでしょ!」


成瀬くんのせいなんだから!



「名前で呼んだら……離してくれる?」


そう聞くと、成瀬くんは「もちろん」と言った


それなら………


次はしっかりと目を見て、「陸、くん」と呼んだ


すると、また顔が赤くなっていく


うう………やっぱり恥ずかしい


でも、それは私だけではないみたいで



「…………っ」


成瀬くん……じゃなくて、陸くんも耳まで真っ赤になっていた


パッと私から手を離し、横を向いてしまった


「どうしたの?」


「いや、えっと………」


どうして赤くなったのか分からずに見ていると、「あんま見ないで」と言われた