「俺のことも、陸って呼んでよ」
近すぎる身体に甘く痺れるような声
顔が熱を帯びていくのがわかって、とっさに下を向く
「む、無理だよ」
恥ずかしすぎるでしょ!
「ふーん……。まあ、別にいいけどね」
え、いいの?
こんなにあっさり許してくれるなんて……
驚いて顔を上げると、目の前にあるのは嫌味なくらい整った顔
そして口角を上げて、妖艶に微笑んだ
「呼んでくれるまで帰さないけど」
「…………へ?」
帰さないって…………え?
言葉の意味を理解すると同時に、沸騰するんじゃないかってくらいどんどん顔が赤くなっていく
「顔、真っ赤だよ?」
「もう、誰のせいだと思ってるの!」
「さあ、誰だろーな」
この余裕そうな表情でさえもかっこいいんだから、本当にずるいと思う

