「あたし帰るね、また来てもいいかな?」


寂しげに俺に聞く詩織。


「あぁ‥けど詩織と俺はずっと友達だぞ?」


「わかってる‥でもまた会いたい」


それから俺は大学の近くの駅まで詩織を送っていった。


「手ちょっと繋いでいい?」


詩織がそんなこと言うからちょっと驚いたけど、俺は黙って手を出した。


もう俺も前に踏み出したい‥その時なんとなくそう思った。


恋愛ってマジわかんねぇ。

今の詩織って、俺が美菜に対する態度と一緒なのか?

自分だけのものにしたくて必死っていうか‥


だから詩織が可哀想で仕方ねぇ‥。


叶わない恋を追いかけるのがどれだけ辛いかって自分が一番知ってるから。