「すみません。ぶつかってしまい。」 「いやいや。お嬢さん、職業は?」 「えっ!えっと……」 探偵とはいえない。 「バ、バイトです!」 「ほう。そうか。」 優衣は愛想笑いを浮かべると、「では」と言ってその場を去った。 男はじっと優衣の後ろ姿をみていたが、胸ポケットの携帯が鳴る。 「もしもし?……あ?まだだよ。これからだって。……俺が携帯の電源切っていようが構わねえだろ」 そう吐き捨て男は携帯をしまった。 タバコを地面に落とし、靴で踏みつけた。