1 案の定、現場に着く頃には雨が降りだしていた。 雨は豪雨と化す。 海は雨で波が激しく唸りをあげている。 「皆藤刑事」 「来たか。」 黄色の立ち入り禁止のテープを越えて、傘をさしていない当麻と優衣が入ってくる。 皆藤と富山は傘をさして、二人が来るのを待っていた。 「司法解剖の結果、ありがとうございました。皆藤刑事にしては、上出来です」 「余計な事は言わなくていいよ。それで?現場に来て何しようってんだ?」 皆藤が聞くと、当麻はそれに答えず、波打ち際に行く。