ーー
「じゃんけんー、ぽんっ。よしっ、私の勝ちですね!」
出したチョキをVサインへ移行する。負けた彼は、さして悔しくなさそうに「今回も俺の負けかぁ」と言う。
「新垣さんは何でも出来るのに、じゃんけんは弱いですよねぇ」
負け続けたもので、既に自身のじゃんけん力に諦めを覚えているのかもしれない。
勝者たる私に、ストロベリーorバニラの選択権を恭しく彼は委ねてきた。
「普段なら、チョコ一択なんだろうけど。今回はこの味しかなかったからね。ストロベリーにする?」
「あえて、アイスの原点たるバニラで」
受け取ったカップアイス。彼はストロベリーを手に取った。
「新垣さん、じゃんけんでパーを出すときが多いですよ」
敗因を述べれば、彼は苦笑した。
「癖なのかも。パーは出しやすいから」
「次のじゃんけんの際、私はグーを出します!」
「うわー、一気に心理戦になったね」
グーと思い込んだ彼が、またパーを出すと予想して、私はチョキを出す。
えげつない。しかして、これぞ勝負。
次のアイス味決定戦でも勝利することを心の中で宣言した風呂上がりの時間だった。
※彼女の勝率=彼がパーを出してあげた回数。


