頬を上気させ額に汗を光らせた子どもたちが、一列に並んでお辞儀をして今日の教室は終わった。グラウンドを出て行く小学生を見送っていると、その中の一人、いたずらっ子で最初はなかなか言うことを聞かず苦労させられたシュウトが、ふと足を止めて俺を見上げた。
「コーチ、滋賀レイカーズがJ1との入れ替え戦に勝った試合、観た?」
「うん、観たよ」
「フォワードのタツキ選手、チョーかっこよかったよね!」
「タツキ? そう?」
大人げないとわかっていてもつい言ってしまう。おっちょこちょいなあいつの小学校時代を知っている俺には、どうしてもあいつがかっこよくは思えない。
「かっこいいよ。あーっ、コーチ、もしかしてヤキモチ?」
ヤ、ヤキモチだと?
シュウトの鋭い指摘に内心うろたえながらも、俺は平静を装って言う。
「コーチは高校時代、タツキ選手と同じユースチームでプレーしてたんだぞ」
「へぇ~」
シュウトがニヤニヤ笑いながら続ける。
「タツキ選手はプロになったのに、コウタコーチはなれなかったんだね」
「コーチ、滋賀レイカーズがJ1との入れ替え戦に勝った試合、観た?」
「うん、観たよ」
「フォワードのタツキ選手、チョーかっこよかったよね!」
「タツキ? そう?」
大人げないとわかっていてもつい言ってしまう。おっちょこちょいなあいつの小学校時代を知っている俺には、どうしてもあいつがかっこよくは思えない。
「かっこいいよ。あーっ、コーチ、もしかしてヤキモチ?」
ヤ、ヤキモチだと?
シュウトの鋭い指摘に内心うろたえながらも、俺は平静を装って言う。
「コーチは高校時代、タツキ選手と同じユースチームでプレーしてたんだぞ」
「へぇ~」
シュウトがニヤニヤ笑いながら続ける。
「タツキ選手はプロになったのに、コウタコーチはなれなかったんだね」


