その翌日の日曜日は、俺と数人の仲間でやっている子どもサッカー教室の日だ。朝八時に市民グラウンドに行って準備を整え、子どもたちを迎える。靱帯を切断してプロサッカー選手になる夢を諦めたとはいえ、それまではユースチームでプレーをしていたし、リハビリを終えた後はアマチュアチームに所属して技術を磨き、ノウハウを培った。それを活かして子どもたちにサッカーを教えている今の生活に、俺は満足している。
「おはようございます!」
元気な声であいさつしながら、次々と子どもたちがやってくる。みんな青と黄色のストライプのウェア姿だ。午前中は幼稚園の年中・年長の教室に続いて小学校低学年の教室がある。体操、ストレッチ、ラダーと呼ばれるプラスチック製の用具を用いてのステップのトレーニング、地面に置いた赤いマーカーを回りながらのドリブル……そんなメニューの合間に、それぞれの成長に応じてアドバイスをしたり、手本を見せたり一緒にボールを追いかけたりする。そうして最後に練習試合をして、クールダウンが済めば終わり。
「ありがとうございました!」


