「休肝日は必要だと思うけど、今までずっと好きだったものを、そう簡単にやめられはしないと思うよ」
「そ、そっか。じゃ、やっぱりこれにしよう」
そう言うと、アオイはどこかぎこちない足取りでレジに向かった。その白いコートの背中を見ながら、俺は唇を引き結んだ。まだ彼女の心にはタツキがいるのかもしれない。
ショップを出て北国街道をぶらぶら歩くが、二人の間には友達よりも近く、恋人よりも遠い十センチほどの距離がある。それをもどかしく感じているとき、アオイが言った。
「ね、お腹空かない?」
「そうだな。混む前にランチにしようか」
俺が広げたガイドマップをアオイが覗き込んできた。セミロングの柔らかな髪がマップの上にはらりと落ち、アオイが髪を耳にかける。白い首がチラリと覗き、俺の心臓がドクンと音を立てた。
この至近距離でその仕草はヤバイ。どうして俺ばかりこんなにドキドキしているんだろう。俺だってアオイをドキドキさせたいのに。
俺がそんなことを考えているとは思っていないのだろう。アオイは顔を伏せたまま「ここに行ってみたい」とマップの一角を指さした。
「よさそうだな」
「そ、そっか。じゃ、やっぱりこれにしよう」
そう言うと、アオイはどこかぎこちない足取りでレジに向かった。その白いコートの背中を見ながら、俺は唇を引き結んだ。まだ彼女の心にはタツキがいるのかもしれない。
ショップを出て北国街道をぶらぶら歩くが、二人の間には友達よりも近く、恋人よりも遠い十センチほどの距離がある。それをもどかしく感じているとき、アオイが言った。
「ね、お腹空かない?」
「そうだな。混む前にランチにしようか」
俺が広げたガイドマップをアオイが覗き込んできた。セミロングの柔らかな髪がマップの上にはらりと落ち、アオイが髪を耳にかける。白い首がチラリと覗き、俺の心臓がドクンと音を立てた。
この至近距離でその仕草はヤバイ。どうして俺ばかりこんなにドキドキしているんだろう。俺だってアオイをドキドキさせたいのに。
俺がそんなことを考えているとは思っていないのだろう。アオイは顔を伏せたまま「ここに行ってみたい」とマップの一角を指さした。
「よさそうだな」


