「そろそろ分娩室行くよ〜」
今が何時なのか、あれから何分たったのかまったくわからない。
ただ、わかるのは夜ってこと。
痛みが弱くなったと感じたときに素早く移動する。
そんなイメージだったけど腰が重いし、お腹痛いし…
「もう、いやだ…」
「お母さんになるんだから、そんなことでクヨクヨしてたらダメ‼︎」
看護婦さんに喝を入れられ、一歩ずつ、ゆっくりでも歩いた。
「頑張ったね。ここに寝てて」
そういわれ、台みたいなところに寝かされた。
隣の部屋から移動しただけなのに、とても疲れた。
道のりは長かったけど、しっかりと自分で歩けたし…まあいっか…
台に寝転ぶと、安心感からか急に眠気が襲ってきた。
ウトウトしてたとき、急にお腹が痛くなった。
眠気は当たり前のように吹っ飛び、私は必死に痛みと戦った。
「まだいきんだらダメ‼︎」
そう怒られる事もたくさんあった。
なんでダメなの…
看護師さんが鬼のように思えた。
さっきから時計をチラチラ見るけど、全然進んでいない。
ちなみに今は9時5分。
さっきから何回、9時5分を見ただろうか。
私にはとても長い時間に思えた。
「じゃあ、一回いきんでみようか‼︎」
そう看護婦さんに言われた。
本当に…⁇
言われた通りに呼吸する。
「頭見えてきたよ〜」
そう言われ、私は少し感動してしまった。
その言葉を聞いて、私はやる気を出して弱音を吐かなくなったって後からお母さんが言ってた。
「…〜っ」
痛くて、本当に言葉も何も出ない。


