「亜子…」




あ。




亜子はもうお調子者の人と喋っている。





どうしよう、私ひまになった。





あ、猫の人に自己紹介しとこ。




「ねぇねぇ」




肩をツンツンしてみると、びっくりしたように振り向いた。






「隣の席だから、よろしくね⁇」





顔色を変えない、猫の人。





なに、こんなヤツなの⁇





「…あぁ。よろしく。」





ニコって笑うと猫の人はフンッと鼻で笑った。





「名前なんて言うの⁇私、」





「よろしくね、萌音。」






え…




私の言葉を遮り、私の名前をいきなり呼び捨てで呼んだよね⁇この人。





「なんで私の名前知ってんのっ⁇」




ねぇ、なんでなんで⁇と、聞くと




「黒板の席順の紙見ただけだって。」




そう呆れたように言った。





「あの…名前なんていうの⁇」





「祐。」




ゆう…か。





「よろしく、祐。」





「いきなり呼び捨てかよ。」





なにコイツ。みたいな言い方されたけど負けずに言い返した。





「祐だって、私のこと呼び捨てしたじゃん」





あはは。って笑うと、祐も そうだな。って呟いてまた鼻で笑った。