ミントグリーン~糖度0の初恋~



さて、これからどうしようか?


ウーロン茶をチビチビ啜りながら、私は店内を見回す。


どうするも何も自分の部屋に戻るしかないんだけど。
シンタくんに声をかけずに帰るわけにもいかないし。


お店は8割くらい埋まってて、さっきシンタくんが言ってた『最近はそこそこ儲かってます』というのは本当だったんだと思った。


いつ来ても閑古鳥が大群で鳴いているようなお店だったのに。


繁盛はもちろんおめでたいことなんだけど、ちょっと素直に喜べない。


シンタくんが遠い存在に感じた。




それにしても、ここにお酒を飲みに来る人たちは何を求めているんだろう?


まだ飲酒を許されない年齢の私には、お金を払って外でお酒を飲む人の気持ちがイマイチ分からない。


シンタくんは、ここでお客さんたちに何を与えているんだろう?


シンタくんの作ったお酒を飲んで、お客さんたちは何を得ているの?


私がもう少し大人になれば分かるのかな?