「ーーー告白された」
そんな話をされるとは思わなかったのだろう。
シンタくんが目を見開いて私の方を向く。
……何でこの話をしようと思ったのか、自分でもうまく説明がつかない。
一番新鮮な思い出だからというだけじゃなくて、シンタくんの反応が見たかった…というのはもちろんあるけど。
「卒業式の後、屋上に呼び出されて」
「へぇ。モテるんだね、千波ちゃん。
ってか、卒業式の後、屋上でって…。
今どきテレビドラマでも使わないようなベタさだね」
シンタくんはすぐに姿勢を戻し、正面を向いてカウンターに両手をついた。
「それ、私も思ったよ。告白されながら」
私は小さく笑って、さらに話を続けた。

