「前にも言ったろ。それが大人の味なの」
シンタくんは私に向かってニヤリと笑う。
「追試にも落ちるとはまだまだ子供だな」
……これって何の試験なのよ。
「お口に合わないならコーラお出ししましょうか?」
からかうように言って、私のグラスに手を伸ばそうとする。
「合わないなんて言ってないもん」
私はもう一度グラスを口に運ぶ。
甘さはとても控えめだけど、柑橘系の香りが爽やかに感じられて飲みやすくて……
「…とても美味しいです」
「だったら始めから素直にそう言いな」
シンタくんが私の頭を軽く小突いた。
メニュー