「分かった、分かったから!
近い、近い、近いっっ!!」
いつまでも姿勢を戻そうとしないシンタくんに焦って、私は身を引きながら手をバタバタさせる。
こんな至近距離初めてで、嬉しさより恥ずかしさで心拍数が跳ね上がる。
きっと、私の顔は極限まで赤くなってるだろう。
「俺からの入学祝の祝辞だよ。
ありがたく受け取れ」
私の反応に満足したように、シンタくんは不敵な微笑みを浮かべながら私から離れた。
ホントにもう…心臓に悪い。
ようやく私は深呼吸をして、フォークを手に取る。
「……なんか、大盛りじゃない?」
気付いてみれば、サラダもパスタもてんこ盛り。
「それも入学祝」
何でもないように言って、シンタくんは自分の飲み物を作り始めた。

