「……は? ……は、走る?」 戸惑う日吉を強引に引っ張って、何とか気持ちを前向きにさせて、2人並んでスタートラインに立つ。 「よーい、ドン!」 威勢のいい掛け声と共に駆け出した。 遠慮なんかしない。 振り向くこともしない。 この勝負、ぶっちぎりで勝ってやる。 それくらいはカッコつけさせてもらってもいいだろ? この湖は、1周1.3キロメートル。 この距離を走りきったら、俺はーーー。