「あーあ。また泣いちゃった。
わんわん泣いて、やっぱり犬じゃん」
頭の上から聴こえるシンタくんの声はひどく楽しげだ。
「ひどっ! 泣かせたのシンタくんだしっ。
第一『泣く』の意味違うしっ」
泣きながらも顔をあげて抗議をした私の目に映るシンタくんの顔はまだ余裕がありそうでやっぱり悔しい。
私は、シンタくんを小さく睨み付けた。
途端にフッと小さく吹き出される。
ほんの少し、顔に赤みがさしたシンタくんの両手が私の顔を優しく包む。
しばらく私の泣き顔を見つめた後、シンタくんが言った。
「うん…。 犬じゃないな」
「当たり前でしょ!」
「やっぱ、プリティーモンスターだわ」
「はぁっ?!」
何だそれは?
私はついに怪獣になったの?
質問しようとしたけど、出来なかった。
私の顔を固定したまま、シンタくんが、いや、シンタくんの顔がどんどん近付いてくる。
そして、私の唇に温かくて、柔らかい感触。
それは、私のファーストキス。

