ミントグリーン~糖度0の初恋~





「同じようにして?」


私の真似をして首を傾げるシンタさんに促されるまま、私も左手の拳を差し出した。


と、同時に私の拳にシンタさんのそれがコツンと当たってきて。



グータッチ。


ミントを3粒握った拳で。


親しみを込めた、グータッチ。



「これからもよろしくね。
千波ちゃん」



シンタさんはそう言ってニッと笑うと、左手のミントをはむっと口に放り込んだ。


「……こちらこそ、お願いします…」



私も一気に口に入れた。


口の中一杯に広がる爽やかな香り。


心はぽかぽかと温かいのに、私の全身を涼やかな風が吹きわたる。


ミントなんてただスースーするだけのものだって思ってたけど、今私が口にしているものは全く別物でとても美味しいと感じた。