「さて……」
チョコを2つ食べたシンタくんが私とは逆隣のスツールに引っかけていたダウンに手を伸ばした。
「俺もあるんだよね。千波にプレゼント」
「へっ?」
ビックリして目を丸くする。
これ以上まだ何かあるの?
「いやいやいや……。シンタくん。
ホワイトデーは1ヶ月後だよ?」
「その時は美味しいクッキー焼いてあげる。
これは、付き合い始めてすぐに寂しい思いさせちゃったお詫び、かな?
はい、あげる」
私に差し出されるシンタくんの拳。
思いがけないサプライズに動揺しまくった私は同じように拳を差し出してしまった。
コツン…と2人でグータッチ。
「うわ、なつかしー。
でも、今はちがうでしょ?
グーじゃなくてパー」
シンタくんが笑いながら私の手を取り、開いた掌に自分の拳をのせた。
そして、その拳をそっと開く。
「ウソ…………」
呆然とした私の掌に乗せられたもの。
それは、スカイブルーの小さな小さな巾着袋。
女の子なら誰もが憧れるジュエリーブランドのラッピングバックだった。

