「何で?」
「何で?……って」
シンタくんは自分をサイボーグか何かだと過信しているのだろうか?
「千波が言ってくれたんじゃない。
ここ昼も営業すればいいのに…って」
「そ、それはさ」
確かに言った。 誕生日の時。
でも、あの時はまだシンタくんがこんなに忙しい人だなんて知らなかったから。
寧ろ、夜だけしか働かないお気楽な生活をしていると勘違いしてた。
そのくらい何も知らなかった。
シンタくんのこと。
付き合えるようになるまで『好き』って気持ちだけでシンタくんのこと知らないことが多すぎた。
でも、今は違う。
シンタくんのことを知るにつれ、たくさんの感情が新しく生まれて戸惑うことばかりだったけど、そういうこともきちんと言葉にしていかなきゃいけないんだなと思う。
「もしかして、俺が忙しくなっちゃうと寂しいから?」
可愛らしく首を傾げるシンタくんを叱りつけたくなった。
「違うよ! そういうことじゃなくって」
「なんだ…違うんだ」
今度は分かりやすくしょげてみせる。
「い、いや……だからさ……」
シンタくんってこんな風に感情表現する人だったっけ?