ミントグリーン~糖度0の初恋~



今、シンタくんと話しているのが電話で良かった。



ちょうどローテーブルに置きっぱなしになっていた鏡に映る自分の顔は、ゆでダコも敗北宣言しちゃいそうなくらい真っ赤だった。




「去年までだってずっとあげてたじゃん」



言い返す声がちょっと裏返っている。



久し振りに会う約束をしてるから?
こんなにドキドキするのは。



「そーだね。
毎年クロネコさんが届けてくれたね。

でも、俺が聞いてるのは今年は直接もらえるの? ってことなんだけど」



楽しげにクツクツ笑うシンタくんは、私が思い切り照れてることをお見通しだ。




「あげる……。ちゃんと手渡しであげるよ。

っていうか、手渡しでしかあげないからね!」



やっとの思いで言い切った私に



「はーい。 それじゃ何がなんでも14日までに全部片付けなきゃな。

楽しみにしてるからよろしくね」



明るい調子で返事をしてくれたシンタくん。



この日の電話はこれで終わった。