「千波ちゃん。自信持ってていいよ。
シンくんが今何をしようとしてるのか私には分からないけど、それもきっと千波ちゃんのためなんじゃないかな?
シンくんのすることはきっと全部千波ちゃんに繋がってるから」
やっと顔をあげた私に香折さんはにっこりと笑う。
かつてシンタくんを一番理解していた香折さんの言葉はすんなりと私に染み込んでいく。
「香折さん、ありがとう。
私、もう絶対に弱音吐いたりしません。
シンタくんを信じて、私自身も強くなります」
香折さんを真っ直ぐ見つめて宣言した。
「そうそう。千波ちゃんなら何も心配いらないからね。
あ、それとね?
恋なんて自分のさじ加減で甘くできるものだから。
もう分かってると思うけど。
千波ちゃん自身で自分の恋を甘く出来るといいね?」
そう言って香折さんは使っていないスティックシュガーを私に差し出した。
「はい。頑張ります」
受け取ったスティックシュガーをそっと握りながら、これも私の初恋のお守りにしようと思った。

