「シンくんのそういうところに興味をもって、それから好きになって、私から告白したんだ。
キミは誰にでも分け隔てないけど、私のことはちょっと特別扱いしてくれない?付き合ってよ…って。
シンくんは、特別扱い出来るかはわからないけど付き合うのは構いませんよ…って答えてくれた。
それが始まり」
香折さんは思い出を慈しむようにゆっくりと話してくれた。
「すごい……。香折さんから告白したんだ」
思わず小さく拍手までしてしまう私に香折さんは頬を淡く染めた。
「千波ちゃんはどうだったの?
シンくんのどこを好きになったのかな?
告白は彼からしてもらった?」
「私は……。シンタくんを初めて兄から紹介された時、空気清浄機みたいなヒトだと思いました。
何だかシンタくんの周りだけ空気が新鮮な気がして。
ちょっと不思議なヒトだなって思いました」
「空気清浄機?!」
驚いたように聞き返した香折さんはその後すごく楽しそうに肩を震わせて笑った。
「千波ちゃんの言いたいこと分かるような気もするわー。
シンくんって爽やかオーラ満載だもんね」
散々笑った香折さんは目尻に滲んだ涙を拭いながら何度も頷いて
「じゃあ、告白は?」
机に両肘をついて私の方へ身を乗り出した。

