「今は楽しくて仕方ないんじゃない？
やっと好きな人と両想いになれたんだもんね？」
ちょっと悪戯な笑みを浮かべる香折さんをフクザツな表情で見返してしまう。
あー、私がずっとシンタくんを好きだったこと知ってるんだ…という思いと、
あー、普通は楽しくて仕方がない時期だよね…という思いとで。
「ーーーあ…れ？」
私のリアクションが以外だったのか、訝しげに首を傾げられてしまった。
「……うまくいったんだよね？あなたたち」
「ええ、まぁ……」
曖昧な返事をしながらお茶を飲み干して、私は思い切って聞いてみた。
「香折さんは、シンタくんと付き合い始めた頃楽しくて仕方なかったですか？
甘甘でしたか？」
「は？ 甘甘って……」
戸惑い気味に私を見返す香折さんを私は真剣に見つめてしまった。
