「似てるのかな？ 私たち」
香折さんの言葉がくすぐったくて、私は何も答えずにお皿に視線を戻す。
そんな私の反応がつまらなかったのか更に言葉が続けられた。
「同じオトコを好きになるしねー」
ボロッ。
摘まみ上げていた最後のキャベツが落ちた。
「そんな古典的な反応しなくても」
「いやいやいや……」
もう一度キャベツを摘まみ直して最後の一口を飲み込んでから、私たちは顔を見合わせて笑った。
「千波ちゃんと顔合わせたらきちんとお礼が言いたいと思ってたんだ」
食後のお茶を啜る私の前で香折さんが穏やかな笑顔を見せる。
「千波ちゃんが話を繋いでくれたおかげでシンくんと話せたよ。ありがとう」
「はい……」
兄からも、もちろんシンタくんからも聞いていた。
香折さんがシンタくんと話したことは。
