『あー、だからって不安になったりしないでね?
お願いだから』



私が黙ったままでいたら、シンタくんが慌てたように言う。



『メールとか電話は今まで通りだから。
ちゃんと毎日連絡は取り合おう?

それと今回だけだから。
こんな風に千波に淋しい思いさせるの。約束する』



必死に言い募るシンタくん。



それでも私が黙っていたら、急に不安げな声で呼びかけられた。



『……千波?』



「あ……。 うん……分かった。
私からもメールとかするね?」



何とか声を絞り出す。



本当はこんな大事な話、顔を見てしてほしかった。


やっぱりシンタくんは今しようとしていることを教えてくれないのかな?



寂しさで胸が埋め尽くされていく。



でも、何時間前かの柿本さんの言葉と
シンタくんが作ってくれたマドレーヌがくじけそうな私を支えてくれた。