「ーーー私ね、シンタくんと付き合う前にいっぱい考えたんだ。
シンタくんと付き合えるようになったらシンタくんとどんな風に繋がりたいのかな…って。
6年前にお兄ちゃん通じて知り合ってからずっと妹扱いだったし、私も当たり前みたいに甘えてばっかだったから、
もうあまり甘えたくないなって思った。
シンタくんは社会人だからお仕事のジャマはしたくなかったしね。
会えない時間は、私もしっかりした社会人になりたいから、大学の勉強と予備校のバイトを頑張ろうって決めたの。
それなのにさ、新年会で順調な親友カップルを見たら急に寂しくなって、不安になって…。
何かそんな自分が情けないし、すごくイヤだ」
一気に全てを吐き出した私は湯気も立たなくなってしまったカップを取り上げて口に運ぶ。
冷めてしまったコーヒーは甘味が増していたけど、今の私にはちょうど良かった。

