私は自分の気持ちを確認しながらゆっくり話していった。
付き合い始めたけど、お互いの時間が合わなくて(特にシンタくんが忙しくて)まともなデートもできていないこと。
それは、立場も環境も全く違う2人だから仕方がないと我慢していたこと。
それなのに、新年会で順調に進展していく親友カップルを見たら不満と不安が急に膨らんでしまったこと。
柿本さんはずっと黙って聞いていてくれた。
何でだろう?ものすごく話しやすい。
シンタくんも私の話をきちんと受け止めてくれるけど、柿本さんとはちょっと違うような気がする。
シンタくんは大きくて反射能力に優れたラケットみたいに私が話したこと全てに的確な答えをスパンスパン打ち返してくれる。
柿本さんはスポンジみたいだ。
私がどんなにたくさんの言葉を吐き出しても全部吸収してくれる。
答えを出してくれなくてもそれだけで十分救われる。
ちなみに兄は2人のちょうど中間くらいだと思う。
今、沢山の言葉を吐き出す私にとっては、
ここにいてくれるのがスポンジかっきーで本当に良かった。

