「今日さー、氷川神社で同僚の結婚式だったの」
「二次会は無しだったんだけど、何か飲み足りなくてさー。
ここまで流れてきちゃったー」
どっちが佐藤さんでどっちが鈴木さんだっけ?
どうでもいいことを考えながら総勢7名のお姉さま方に圧倒される。
「あれ、妹ちゃんじゃない?
イメチェンしたから分からなかったよー」
ショートカットの方のお姉さんが(多分こっちが鈴木さん) 私に気付いて微笑みかけてくれる。
「こ、こんばんは!」
ペコンと頭を下げる視線の先に
「妹……?」と呟きながら首を傾げている柿本さんが見えた。
完全に帰るタイミング失っちゃったんだ。
「わざわざこんなところまで流れてきてもらえて嬉しいです。
皆さんでテーブルに分かれて座って頂いてもいいですか?」
シンタくんが仕事用の顔つきに変わって、にこやかに皆さんを案内し始める。
動き出す時、然り気無く私の頭を撫でて、小さく「悪い」と囁いた。
こうなってしまえば、私がここに留まるわけにもいかないだろう。
「かっきーさん。
駅まで一緒に帰りましょう」
わざとらしいくらい明るく言って、私は柿本さんに駆け寄った。

