そして翌日の夕方。
『会いたい』と言えないからって、強引に押しかけるようなことをして良かったのだろうか?
少しの後悔をお供にしたままシンタくんのお店の前まで来てしまった。
明らかに順調仲良しカップルの雪と竹田くんに感化され、新しいヘアスタイルを誉めてくれたカイチくんに背中を押された衝動的な行動。
そんなものをシンタくんが受け入れてくれるか分からないから、スマホは半日以上バックの底に沈めたまま。
今日は日曜日。時間は午後5時。
日曜日は暇だって言ってたし、開店前だし大丈夫。
大きく息を吸い込んでから、
「シンタくん、来ちゃったよー」
思い切りカラ元気で声を張り上げながらドアを開けた私の目に飛び込んできたのは。
…………まさかの先客。
「あー、千波ちゃんだ。また会えたね」
カウンターの右端に座って私に笑いかけたのは、先月会ったばかりのインテリアデザイナーの柿本さんだった。

