この時間にメッセージを送ってくるのは、きっとシンタくんだ。
シンタくんは仕事の合間、店が空いたときにバックヤードでメールをしているらしい。
「ちょっとごめんね?」
テーブルを拭いていた台布巾を置いてバックの一番上に乗っていたスマホに手を伸ばす。
メッセージは予想通りシンタくんからだった。
【週末なのに店が暇。
新年会楽しんだか?
間違ってもアルコールなんか飲まないよーに。
未成年なんだからな。】
今夜は新年会の流れでここに泊まることも知っているからか、
いつもより少しシンプルなメッセージ。
そして何故かクマが炎を背負っているスタンプが添付されている。
シンタくんのスタンプの選択はビミョーなことが多い。
「……ってか、お兄ちゃんみたい」
メッセージを読み返して笑ってしまう。
恋人からの、というより兄からだという方がしっくりくる内容じゃないか。
お酒なんか飲まないし。
私たちはそういうところはいたってマジメなのだ。
「彼氏さんから?」
私の目の前でコーラのグラスを傾けていたカイチくんが目を細めて言った。

