4人での新年会は楽しかった。
新年に帰省した時は他のクラスメートなども含めたプチ同窓会みたいになって、
それはそれでとても楽しかったけどやっぱり心の底から寛げない。
この気心の知れた4人だけの集まりは特別なんだとしみじみ思った。
今夜はこのまま雪の部屋に泊まることになっている。
カイチくんは近くに住む竹田くんのとこに行くことになっていたのに、結局2人ともこの部屋に留まっていた。
よく聞けば、竹田くんはクリスマスくらいから自分の部屋で過ごすことは殆どなくて、ほぼ雪の部屋に入り浸っているらしい。
「渉の部屋は物置状態かも。
私の部屋の荷物も少しあっちに持ってたもん。
で、こっちの部屋に2人でいるの。
親には言ってないけど、知れたら怒られるね」
「その時は、真剣に同棲してますって言ってやればいいんだよ。
まぁ、まずバレることはないけどな」
2人の会話にはカイチくんと2人で顔を見合わせて苦笑いするしかない。
私は2人を高校時代からしか知らないけれど、いつもお互いをからかってばかりでそこに恋愛感情の欠片も見えなかった。
雪自身だって
『竹田はそういう対象になり得ない。まだ鷹野の方が可能性ある』
とか言ってたはずなのに。
大学も一緒だったと判明してすぐに交際に発展して、今や半(?)同棲。
恋って、普通はこんなに早く展開していくものなのだろうか?
流しに並んで立って洗い物をしている雪と竹田くんを見ながら、私はまた自分の恋について考えてしまいそうになる。
「ってことは、ここに4人で雑魚寝かよ」
カイチくんがボソッと呟いて、私のスマホからLINEメッセージの着信音が響いた。

