「いつになるんだろう? じゃなくて今でしょう!
今すぐ見せにいきなさいよ。こんなとこにいないでさ」
雪の悲鳴に近い声に私は顔をしかめる。
「こんなとこに…ってさ。
新年会は水戸でもやったのに東京でもやろう、鍋パーティーだ、って強引に呼び出したのはどこの誰よ」
雪が切っていく野菜を大皿に並べながら後ろを振り返る。
女性陣がキッチンで支度をしている間、男性陣はテレビの前でゲームに夢中。
とりあえず私たちの話は聞こえていないみたいでホッとする。
私と違って後ろの存在なんて全く気にしていない雪は白菜を取り上げながら更に突っ込んできた。
「千波さ、シンタさんと付き合うようになって1ヶ月になるけどデートしたのって何回よ?」
「1回」
考えるまでもなく即答。
「は?」
白菜を刻もうとしていた手を止めて、
雪が私を穴があくほど見つめていた。

