「くららさん、しょーもない勘違いで俺たちを困らせないで下さいよ」



カイチくんが苦笑いと共に私の前にパンケーキを置く。



「クリームチーズとブルーベリーソースのパンケーキだよ。

これならトッピングに手間があまりかからないから何とか注文捌ききれるんだよね。

結構評判いいから食べてみて」



カイチくんは私に微笑みかけた後、くららさんに向かって



「俺と日吉は残念ながらそんな関係じゃありません。

あくまでもいいオトモダチですよ」



「えー? そうなの?」



くららさんは心底意外そうに目を丸くして私に顔を向ける。



私はこの場合どんな反応を示すべきなのか分からず、ただ小さく頷いてみせた。



「やだ。 だってカイチくんにバイトをお願いした時も快く引き受けてくれて千波ちゃんがたまに来てくれるとすごく嬉しそうにしてるし、
2人とも仲良くていい雰囲気だからてっきりそういうことなのかと…」



早口に言いながら今度はくららさんがバツ悪そうに肩を竦める。