「もしかして、答え…出たの?」
一瞬だけ伏せた視線をまた俺に戻して千波が俺に訊ねる。
「うん。ちゃんと答え出したよ。
このランチが終わったら、俺の店に戻ってゆっくり話したいんだけど?」
今度は勿体ぶったりせずに千波と視線をしっかり繋ぎながら一言ずつはっきり伝えてやる。
千波もずっと目を逸らさず、じっと俺を見つめていた。
「……うん。分かった。
じゃあ、お店に戻ったらシンタくんの話ちゃんと聞くね。
その前にしっかり腹ごしらえしとかなきゃ」
やがて頷きながら千波が見せてくれた笑顔はとても明るくてチャーミングで、俺はごく自然に手を伸ばしてまだ冷たさの残る頬を撫でてやる。
そして、俺たちの話が終わるのを待っていたかのようなタイミングでトロトロのオムライスが運ばれてきて千波が歓声をあげた。
「これ、すっごく美味しい!
ねえ、ここ以外にもお兄ちゃんたちと通ったお店ってあるの?」
「もちろんあるよ。ラーメン屋とか」
「どこ? 教えて」
「今度連れていってやるよ」
「ホントに?」
デミグラスソースがたっぷりかかったオムライスを端から綺麗に食べながら、千波はすっかりいつもの調子を取り戻して話す。
この時間が楽しくて仕方がないように見えて、俺までがうきうきしてくる。
そんな時間を過ごしていたら、俺の中にまた今まで感じたことのない温かさが広がった。

