それにしてもキレーな色だな…。
何色っていうんだろ?これ。
目の前の背中を眺めながら思った。
この日工藤さんが着ていたのは、程よく色落ちしたジーンズと白いTシャツ。
その上に薄い黄緑色のシャツを羽織っていた。
ちょっと珍しいグリーンで何色って表現したらいいのか迷うけど、そのシャツは工藤さんにとても似合っていた。
「ねー、あそこのベンチが空いてるよ。
ちょっと休もうか?」
工藤さんが少し先にあるベンチを指差す。
「え…?
お兄ちゃんたち、どんどん先に行っちゃいますよ?」
「いいじゃん、別に。
どうせ最終的にはお宅で合流出来るんだし?」
工藤さんは、今日から3日間うちに泊まることになっている。
「……そうですよね」
私は工藤さんの提案に同意して後ろ姿を追いかけた。

