人は誰でも、大切な人との永遠の別れを簡単に受け入れることはできない。
それが全く予期せず、突然に訪れてしまえば尚更。
俺の父親は本当に何の前触れもなくいなくなってしまった。
きちんと青信号を渡っていたのに、よそ見運転の車に跳ねられて呆気なく逝ってしまった。
すぐには現実を受け入れられなかった。
いつもと変わらず仕事に行ったはずの父が2度と帰ってこないなんてあり得ないだろ?
そんな俺を否応なしに引き戻したのは狂ったように取り乱した母親だった。
子供の俺から見ても仲の良い両親だった。
父は母を何よりも大事にしていたし、
母はそんな父にいつも頼りきっていた。
『私はお父さんがいないと生きていけないの』
そんなことを大真面目にいつも口にしていた。

