「お待たせしました」
俺は新しく作り上げたグラスを香折さんの前に滑らせた。
「ありがと……あ…れ?」
グラスを受け取って不思議そうに首を傾げて俺を見やる香折さん。
手にしたグラスはさっきまでのアドニスの琥珀色から赤いルビー色に変わっていた。
「同じもので…って言ったのに」
「勝手にオリジナル作らせてもらいました。
味は香折さんの好みに合うはずだから飲んでみて」
俺の言葉に頷いて、香折さんがグラスを口に運ぶ。
「美味しい!さっきのよりもっと飲みやすいし」
俺に向かって目を見開く香折さんに向かって微笑み返しながら、
ゆっくりと頭を下げて口を開いた。
「結婚おめでとう。香折さん」
ポカンと俺を見つめる香折さんの瞳がみるみる潤んでいくのを俺は微笑みを崩さぬまま見守る。

