衝撃的な伝言と

核心をついたご指摘と

それに伴うお説教と

聞かなきゃよかった想い人の近況報告と…。




とにかくたくさんの置き土産を残して清海は帰っていった。


その代わりに俺が吐き出した本音と弱気を持って帰ってくれたけど。



誰もいなくなった店内の照明をカウンター部分以外全部消してからカウンターの内側に戻って、放り出したままのフライパンに残っていた炒りすぎた落花生を皿に取り出す。


少し悩んでから酒棚からいくつかの瓶を取り出してカクテルを作ることにした。


頭の中にしっかり記憶されているレシピ通りにシェイカーにセットして、リズムよく振っていく。


この店で一番華奢な脚が極限まで細くデザインされたカクテルグラスに慎重に中身を注ぐ。


グラスに満たされたピンク色のカクテルに小さなミントの葉を添えて


「お待たせしました。

千波スペシャルです」


恭しく頭を下げながら正面のスツールに向かってグラスを滑らせた。





って、俺は1人で何をやっているんだろう?