2人の兄がよく自宅に友人を連れてくるので(3年前までは殆どが清雲兄ちゃんの友達だったけど)、私は年上の男性を見慣れている。
でも、この人は今までの人と違う。
何だろう?
纏っている空気が違うんだと思う。
この人の周りの空気だけが全然散らかってなくて、適切な濃度と湿度を保っていて、呼吸がラク…みたいな。
そう、この人自身が高性能の空気清浄器みたいだ。
無意識に見つめてしまっていたらしい。
兄の斜め後ろに立ったその人とバチッと目が合ってしまった。
「はじめまして」
にっこりと微笑みながら、その人が私に頭を下げてくれた。

