そういえば私って……。
『妹みたいなもん』脱却してシンタくんの恋人になりたい!
……なんてただ闇雲に願っているだけじゃなかった?
具体的にこういう風に向き合いたいとかあまり考えたことなかった。
ただ家族愛じゃダメなんだ、なんて思いながらシンタくんには今まで通り妹みたいに可愛がってほしいとか矛盾したこともちょっと考えてた。
あーなりたい。
こーしてほしい。
思うことはたくさんあっても、どれもただ漠然と望むだけ。
それもシンタくんに寄り掛かることが前提のことばかりだったかも。
私は無意識にシンタくんに甘えることばかり望んでた?
そっか……。
もしかしたら、シンタくんが言っている『考えたいこと』ってこういうことなのかな?
『このまんま』が嫌ならどうなりたいのか、そのためにはどうすればいいのか、もっとちゃんと考えなくちゃダメなんだ。
綺麗な元カノの再登場に落ち込んでいる場合じゃない。
私、自分のこともまだちゃんと考えられてなかったんだ。
ずっとモヤモヤしていたことに答えが見つかりそうな気がして、私は黙って物思いに耽っていたらしい。
『千波ってば!!』
雪に大声を出されて我にかえる。

