たくさんの時間をかけてシンタくんは話してくれた。
私の好意自体にはずっと前から気付いていたけど、それは兄を慕う妹のそれと同じ種類のものだと思っていたこと。
そうではないと気付いたのは、私が上京してからで、気付いてからはどうしていいのか戸惑っていたこと。
馬鹿正直に全部話すシンタくんを私は黙って見つめていた。
そして、最後に
「簡単には切り替えられないけど、そうしなくちゃいけない時がきたんだと思う。
どんな形であっても俺にとって千波は大切な存在だから。
だからこそ、今のままで答えは出せない。
きちんと時間をかけて考えさせて?」
そう言って、私の頭をわしゃわしゃと撫でた。
これは、私にとって喜んでいい話なのだろうか?
『妹みたいなもん』は脱却できたかもしれない。
でも……。

