それからの記憶は、
あっちをふらふら……。
こっちをふらふら……。
「ちょっ……!
おい! 千波!? おいってば!!」
焦りまくるシンタくんの声を聞いたかと思えば、
「あー……、扁桃腺が腫れちゃってるわね。
これじゃ、辛かったよねー」
女医さんらしき人の声が聞こえたような…。
そんな曖昧な時間を送りながらも、
すぐそばにシンタくんがいてくれるということが、
私に安心感を与え続けてくれていた。
これって、熱に浮かされて見てた夢とかじゃないよね…?
もし、そうなのだとしたら、
ずっと熱が下がらなくても構わない。

