喉が痛い。とんでもなく痛い。
頭も痛い。ガンガンする。
高熱のせいで寒気がするのに真夏の部屋は暑い。
水分とらなきゃ正真正銘干からびそうだ。
でも、腰が抜けたみたいに力が入らなくて動けない。
どうしよう……。
1人でいるのが怖い。
早く誰かに来てほしい。
怖い…。
怖い…。
怖い…。
テーブルに伏せながらうなされている私に助けが来てくれたのは、踊子さんに電話をしてから1時間も経たないくらいだったのにものすごく長く感じた。
手元のスマホがバイブで震えるのと同時に部屋のドアを叩く音。
「千波! 千波!」
ものすごく焦っている様子のその声は。
兄でも踊子さんでもなかった。

