ミントグリーン~糖度0の初恋~





その後もポツポツと生徒会時代の思い出話をしながら歩いた。


相変わらずカイチくんは私を誉めちぎってくれたけど、私も負けないくらいカイチくんを絶賛する。



「あの時、カイチくんだってカッコ良かったよ。

大量のミスプリントと居残り作業を1人で先生のところに謝りにいったよね?

田中くんには
こういう時は上級生が報告に行くのが当たり前だから…って。

他の皆惚れ惚れしてたよ。

男気溢れる鷹野副会長に」


「もういいってば。ハズいよ……。

俺はただ日吉に負けてられないなって思っただけだし。


ってか、こう思い出すと結局何にもしなかったんだな、あの時の加藤木…」


「……あの時は、ね」


「……あの時は、な」



顔を見合わせて笑う。


まだ卒業してから半年も経たないのに、あの頃がものすごく懐かしく感じた。


ほんの数ヵ月か分だけど、過ぎた時間の分だけ私たちは成長しているのだろうか?








公園を出て、駅が近くなってきた頃カイチくんが呟くように言った。



「良かった…。
日吉とこうやってまた話せて…」