「…分かった。そうだよね。 うん…大切に持っとく」 小さく頷いてボタンを制服のポケットに入れる私に、雪は「そうそう」と優しく頷いてくれた。 「さて、そろそろ帰りますか?」 雪が勢いよく立ち上がる。 「そうだね。 待っててくれてありがとね、雪」 私も荷物を手に立ち上がった。 「いいってことよ。 親友の最後の下校を一人にするわけにはいかないもんね」 「雪ぃ…。大好きー。」 本気で涙ぐみながら抱きついた私の背中をポンポンと叩いてくれた親友の手はとても温かかった。