目的の駅に着いてからは、お互いの距離が少し縮まって、かなりすき間はあいているものの2人並んで歩いた。
「ここって、カイチくんの大学があるとこじゃない?」
「そう。知ってたんだね。
ほら、そこが学校」
私たちはちょうどカイチくんが通う大学の前にたどり着いていた。
校門の正面から見える校舎は、私の通うそれとは全然違っていた。
「わぁ……きれい。スケルトンだ」
目の前の4階建ての校舎は、まだ新しくてここから見える範囲は殆どがガラス張りで中の様子が丸見えだった。
ちょうど夕陽が照り付けるガラス張りの校舎はオレンジ色に輝いていて、その中を歩いてる人たちもオレンジ色に染まっている。
歴史的建造物に指定されそうなくらい古いレンガ造りで窓が少なめの私の大学の校舎とはあまりにも対照的だ。
「ぶっ……。スケルトンなんて表現した人初めて。
やっぱり日吉って楽しいな」
そう笑いながらカイチくんは再び歩き出す。
目的地はここではなかったらしい。
私もまた横について歩いていった。

