「ごちそうさまでした」
『Kurara』を出て、ぺこんと頭を下げる私にカイチくんは照れ笑いを浮かべて
「いいって。
俺さ、コンビニで深夜バイトしてるの。給料入ったばかりだし。
いきなり来て日吉を驚かせちゃったお詫び」
「それにしたって……。ありがと」
もう一度お礼を言った私にカイチくんは頷いてくれた。
パンケーキはくららさんにサービスしてもらい、飲み物はカイチくんに奢ってもらってちょっと申し訳ない気持ち。
でも、素直に甘えることにした。
「本当にここいいお店だね。
俺も常連になろうかな?」
カイチくんはかなりこの店がお気に召した様子。
くららさんにパンケーキの感想を求められた時には
「とても美味しかったです。
甘さも全然くどくなかったし。
パンケーキ自体がとても美味しかったから、もう少しトッピング減らしてシンプルにしても十分勝負できますよ。
それなら忙しくても注文捌ききれるかなって」
結構具体的なことを言うので感心してしまった。
私はといえば、その横で
「うん。そう思います」
って頷いていただけ。
頼りないモニターで申し訳ない…。

