このボタンを欲しがっている女子は他にいるだろうに。
これは私が貰っていいものなのだろうか?
「貰ってあげなよ。
ってか、今さらどうやって返すのよ?
そのボタンを大切に保管するくらいのことはしてあげたら?
本当にいいお守りになると思うし?」
雪は、情けない表情で考え込む私の頭を軽く揺する。
「お守りになる?」
「なるよ。
だって、千波を想い続けた鷹野の心臓(ハート)の一番近くに居続けたボタンだもん。
これからやっと初恋のキミのそばにいって頑張る千波に勇気を与えるアイテムにはなると思うけどな」
カイチくんの想いの深さを知るボタン。
これから他の人へ想いの深さを伝えようとしている私のお守りになってくれる?

