「はい。千波ちゃんもどーぞ」
いつの間にやら、魔法みたいに私たちの前には出来たてのパンケーキ。
添えられたバニラアイスと一緒に、メイプルシロップがたっぷりかかって、3種類のベリーたちがバランスよく散りばめられている。
「何とかカフェメニューを増やしたくて試作品。
今はこれが流行りじゃない?
久し振りに再会したらしい2人にお祝いにサービス。
あ、彼は甘いもの大丈夫だったかな?」
シルバーのトレイを胸に抱いてカイチくんに向かって首を傾げるくららさんに
「全然大丈夫です!
甘いものも辛いものも食べれるものなら何でも大丈夫です!」
元気一杯に答えてフォークを手にするカイチくんに思わず吹き出してしまった。
「くららさん。ありがとう。
私も遠慮なく頂いちゃいます」
私もフォークとナイフを手にした。
「おーい、下のレジ頼むー!」
階下から透さんの声が響いて、
くららさんは「はーい!」と返事をしながら
「あれじゃ、メニュー増やしても捌ききれないかな?バイトでも雇える余裕があればいいんだけどねー。
あ、後で感想だけは聞かせてね。
ごゆっくり」
とても素敵な笑顔を残して下の店舗へと階段を駆け下りていった。

